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油圧ブレーキのエア抜き【GE-N3】

  • 執筆者の写真: ヨツバモト公式
    ヨツバモト公式
  • 5月23日
  • 読了時間: 5分

ブレーキのタッチが柔らかくなってきたな、という場合、簡易的にはレバーの根元の小ねじを回転させて調整することができますが、それでも柔らかすぎる、という場合は、ブレーキ液にエアが混入している可能性があります。また、ブレーキ液が経年劣化することもありますので、そういう場合は以下の手順でエア抜き(あるいはブレーキ液の交換)を行ってください。 GE-N3のブレーキにはMTB規格の油圧ブレーキが使用されています。自動車やオートバイとは違った方法でエア抜きを行うので、ご紹介します。 用意するもの

ブリードキット

リプレースパーツとしてラインナップしているものがオススメですが、通販サイトによくある汎用のものでも大丈夫な場合も多いです。シリンジを2本、写真のように組み立ててください。1本はM5ネジ、もう1本はM6ネジのコネクターを先端に装着してください。

ブレーキパッドの代わりに挟みこむブロックは4ピストン用のものを使用します。


ミネラルオイル

自動車、オートバイで一般的なDOT4ではありません。ご注意ください。各社の自転車用のミネラルオイルを用意してください。


T10トルクス工具

ブリードキットにも付属しています。


六角レンチ

2mm、3mm、4mm、5mmのレンチを使います。


その他

後ほど紹介しますが、ブレーキディスクを保護するビニール袋。溢れた液を拭き取るウエス等をご用意ください。また、薄手のニトリル手袋などを装着すると安心です。




キャリパー側の準備

適当な台の上に車体を乗せ、安定させてください。サイドスタンドでも作業は可能ですが、車体が左に傾いてしまい、やや窮屈です。

今回はリアブレーキを例にとり説明します。フロント側も作業の方法は同じです。


ブレーキキャリパーを固定しているボルトを上下とも取り外してください。

下の写真のように、キャリパーの下側の取り付け穴を、マウントの上側のネジ穴に固定してください。

ブレーキパッドの固定ピンを抜き取り、ブレーキパッドとスプリングを取り外してください。パッドにブレーキ液が付着すると制動力に影響が出るため、必ず取り外して作業するようにしてください。

ブレーキパッドの代わりにブロックを挟み、ブレーキパッドピンを差し込みます。

ディスクにブレーキ液が付着するのを防ぐため、ビニール袋をかぶせてください。

T10トルクスレンチを使って、キャップを取り外してください。この時、Oリングもキャップネジと一緒に外れていることを確認してください。


ブレーキ液が多少溢れてくると思いますので、素早く空のシリンジ(M5を装着済み)を取り付けてください。

ホースのクランプがロックされていることを確認してください。

これで、キャリパー側の準備は完了です。




レバー側の準備

レバーのクランプのボルトを緩め、レバーが水平になるようにセットして、再びボルトを固定してください。


シリンジの先端をブレーキ液のボトルに差し込んで、2/3~3/4くらいまで液を吸い上げてください。

吸い上げた後はシリンジを真上に向け、ピストンをゆっくりと押し込んで中の余分な空気を押し出してください。

空気が抜けたら、ホースのクランプをロックしてください。

レバー側のブリードポートキャップをT10トルクスレンチで取り外してください。こちらも、キャリパー側と同様に、Oリングも一緒に抜き取ってください。

キャップを抜き取った後、かわりに先ほどブレーキ液を注入したシリンジをポートにねじ込んでください。

(写真はねじ込みの途中です) Oリングが隠れるまでしっかりとねじ込んでください。

これで、レバー側の準備も完了です。




エア抜き

準備が出来たら、2本のシリンジをできるだけ下向きになるように構えて、各ホースのクランプのロックを解除します。


解除したら……


①レバー側のシリンジのピストンをゆっくりと押し込んでください。シリンジのブレーキ液が減ってゆき、かわりにキャリパー側のシリンジに液が押し出されてきます。このとき、気泡も一緒に押し出されてきます。

今回使用した新しいブレーキ液は赤色、古い液は青色のため、キャリパー側、レバー側で色が違っています。

レバー側のシリンジのブレーキ液が無くなってしまう前に、ピストン押し込むのを止めてください。


②次に、反対にキャリパー側のシリンジのピストンを押し込みます。レバー側のブリードポートから気泡と液が押し出されてきます。



この①と②を交互に数回繰り返し、気泡が出てこないことを確認してください。

エアが抜けたら、キャリパー側、レバー側の両方のホースのクランプをロックしてください。


両方がロックしていることを確認した後、キャリパー側のシリンジを取り外してください。

シリンジを抜き取った後、液が多少溢れてきます。素早く、キャップのボルトを締め込んでください。この時、気泡が入らないように、そしてOリングを忘れないようにしてください。


次に、レバー側のクランプのロックを解除し、レバーを5~10回程度、握る、離す、を繰り返してください。

その後、再びホースクランプをロックしてください。

ロック確認後、シリンジを取り外してください。

シリンジを取り外した後、キャップのボルトを締め込んでください。キャリパー側と同様に、空気の混入とOリングの忘れに注意してください。

ここまでできたら、レバーを数度握ってみてください。レバーのタッチが正常に硬くなったことを確認します。 もし、まだ柔らかい場合は、再びシリンジを取り付けてエア抜き作業を行ってください。ホース内部に気泡が溜まっている可能性があるので、ホースを振動させたり、ホースの経路を振動させたりしてみてください。あるいは、完全に新しい液に入れ替えてしまう方が早い場合もあります。


タッチが正常に硬くなったら、周辺を清掃し、レバー角度を元に戻し、ブレーキパッドを装着し、キャリパーを元通りに組みつけてください。


使用したシリンジは中性洗剤でよく洗い、乾燥させてから保管してください。








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